温泉ソムリエの僕が「日本の温泉と海外の温泉の違い」を考察します

国内でも海外でも色んな温泉に行くのが好きなんですー!と話すとよく聞かれることが
「海外と日本の温泉は何が違うの?」ということです。

これって一概に説明するのが難しい非常に難解な問いであると思います。

そんなこんなで毎回なんだか上手いこと説明が出来ないので、本記事にて現時点での自分の中の考えをまとめてみたいと思います!

↓ちなみにこの記事を書いている僕は温泉ソムリエです

日本の温泉と海外の温泉の違い

違うのは文化であって温泉ではない

まず温泉の定義を考えると、温泉とはある成分が含まれた温かいお湯のことです。

これは日本であろうがヨーロッパであろうがアフリカであろうが変わらないことです。また厳密に言えば日本でも各温泉地によって、違うひとつひとつの温泉であると言えますが、そんなこというとキリがありません。

つまり温泉自体がそれぞれ違っているのは当たり前であり、
それをどう利用するかというところに国ごとの特色が出てくるわけです。

これは要は文化の違いと言うことが出来るでしょう。

というわけで、以下からはそうした文化的な側面からどんな違いがあるかを考えていきたいと思います!

温度の好みが違う

温泉が最初にどこかから温泉として湧いて出てきた時の温度は、自然の条件によるところとなりますが、浴槽としてある温泉の温度は各国での好みの温度へ下げたり上げたりしているわけで、それぞれの国の人々の好みな温度へ設定されることになります。

世界中周ったわけではありませんが、日本人は世界一熱いお湯好きだと感じますね。

ヨーロッパとかアジア圏とかもそうでしたが、海外で一般的に好まれる温度は36-40度程度に感じます。

熱湯でもせいぜい40度くらいでしょう。

日本人からするとヌルすぎる!と感じることでしょう笑。しかし外国人からすれば日本のお風呂熱すぎて入れない!となります。

どちらが正解ということはもちろんないのですが、最近ではぬる湯での半身浴が流行っていたり、医学や健康面で見ると38度くらいの方が体には良いという考えが主流になっていますので、ヨーロッパとかの方が科学的に健康に良い温度に設定されているように思います。

下町の昔ながらの銭湯だと46度とかとんでもないところが今でも残っていますが、確かにここまで行くと体の異変というか、間違いなく良くない感じはしますね笑。

というわけで、温度には国ごとの好みが反映されています。

湯船は何をする場所かの価値観の違い

ラグーナ[フィリピン ルゾン島]

”温泉はこういう場所である”という感覚が各国で大きく異なると感じます。

わかりやすい例だとヨーロッパでは医学的に利用されるケースも多く、保養所とかそういった側面が日本よりも強いです。

この前行ったドイツでは、温泉地=保養所であり長期滞在者が多かったりします。日本でも湯治の文化はありますが、温泉旅行とかそういう概念が向こうにはあまり無いように感じます。

ヨーロッパでは温泉旅行に健康保険が適用される国もあったり、本格的な医療の1つとしても認識されています。

日本ではレジャー(旅行)文化が強いでしょう。ドイツのバーデンバーデンという温泉地に2泊しましたが、同じ世代で泊まっている人はまったく見かけませんでした。若くても40代夫婦とか。大学生の旅行で温泉地へなんていう感覚はないんだと思います。

ローマのドミトリーで一緒になったドイツ人(26歳)の人もバーデンバーデンは家から近いが行ったことないと話していました。

ただ同じヨーロッパでもハンガリーの有名なセーチェーニ温泉ではチェスをしている風景が定番だったりレジャー感がドイツよりちょっと強くなるような気も。この辺は同じヨーロッパでも国ごとに違ってくるでしょう。

また僕が訪れたフィリピンやタイなどの東南アジア地域では、プールの延長であると言えます。温泉=暖かいプールといった感じ。

なのでほんとにプールみたいな浴槽のところも多いですし、浮き輪持って遊んでいる人もいたりします。ちなみに上の写真はフィリピンの温泉ラグーナです。

建築様式の違い

フリードリヒス浴場[ドイツ,バーデンバーデン]

温泉や銭湯の建物を湯屋建築といいます。
建築=文化なので、文化の違いの中に含めることができるでしょう。

温泉の成分にそこまで敏感な人は多くはないと思います。ぶっちゃけ温泉自体よりも温泉が入っている建物にこそ、違った印象を与える効果が強いと思います。

この部分はもっと深く掘り下げたいところですが、
日本→内湯は伝統的な木造湯屋、外湯は日本庭園のような露天風呂
ヨーロッパ→教会っぽい感じでとにかく天井高い
東南アジア→基本野外でプールと似たロケーション

とざっくり言うとこんな感じ・・・笑

これは国ごとに研究してみたいところです。

まとめ

以上、今思いつくところで海外と日本の温泉を比較してみました。

一言でまとめると温泉を利用する我々の文化が違うということでしょう。日本でも地域によって微妙な違いっていうのは出てくると思います。その辺も改めて考察してみたいですね。