【フィリピンの世界遺産】コルディリェーラの棚田群に行ってきた!

ある朝、急にその後の予定が数日空きました。
あ、そうだ!旅行行こう!と思い立ち、即決行。場所は以前にガイドブックで見た時からずっと憧れていたフィリピンの世界遺産[コルディリェーラの棚田群]です。午前に行き方を調べてその日の夜行バスでバナウェに旅立ちました!

”天国への階段”と評されるほどのフィリピンが誇る超絶景世界遺産を紹介します!

コルディリェーラの棚田群とは

1995年にユネスコの文化遺産に登録されたフィリピンの世界遺産の1つです。
天国への階段と表現されるほどの絶景である棚田は、総延長が20,000km以上、地球の半周分もある世界最大の棚田です。

棚田はイフガオ族と呼ばれる民族が紀元前1000~100年頃に造成したと言われており、なんと2,000年以上も継承され続けている人類の遺産です。当時はもちろんのこと、現在でも高低差が多いことと、農法継承のために全ての作業が手作業にて行われています。

これらはかなりの重労働であり、後継者不足や近代化などの問題で2001年には危機遺産として登録されてしまいます。危機遺産とは維持が難しくなった世界遺産のことです。しかし、国内外の様々な支援活動により2012年には無事に解除。

バナウェの街並み

コルディリェーラの棚田群はいくつかのスポットを含めた集合体なのですが、観光する時の中心地はバナウェという山岳地の小さな町になります。

この町を中心にして各地の世界遺産に登録されている棚田にトレッキングします!
棚田は細い道しかないので完全に徒歩での移動となり、かなり体力が必要になると思います。そもそもバナウェまで行くだけでもかなり大変です。

このバナウェまでの行き方は他記事で説明していますのでご覧ください。

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夜の22:30に出発して朝8時頃にバナウェに到着しました。
バスの中が超極寒なのですが、バナウェも同じくらい寒い!フィリピンとは思えないほど寒いです。たまらず町のマーケットでマフラーを購入しました。寒い時は10度くらいになることもあるそうです。

常夏のマニラから来たからか温度以上に寒く感じました。
バナウェは標高が2000mほどあるそうで、日中に陽が当たるとかなり暑いです。陽が出ていない日や夜間はかなり冷えますので防寒装備を忘れずに。

これが町の中心地。コンビニもないほど小さな町です。着いた時はあいにくの雨。バス会社と提携してるであろうツアー会社に連れていかれツアーへの参加を促されましたが、期間に余裕があることと天気が悪かったのでパス。そもそも夜行バスが過酷でかなり疲れていましたので、初日は休憩と町歩きの日にすることに。

ただツアーも1人でトライシクルをチャーターするよりもかなり安上がりになりますので、良いと思います。天気が良ければ参加したと思います。

そして町のほとんどが坂。急斜面にビルが建っています。この橋は川を跨いで近道できるというルートです。地元ではショートカットと言われているそう。そのまんまですね・・・。訪れた際は是非橋を渡ってみてください。古びた感じが絶叫マシーンレベルに怖いです。

しかし、こんなところに住んでいる人達は本当にすごいなーと思います。ちょっと買い物いくだけでも大変です。

ぶらぶら歩きながら今日の宿探し。
歩いてたらたまたま発見した TRIANON HOME STAY という地元の人の家に泊まることにしました。ガイドブックにないのでかなり挑戦でしたが、家の人達が凄く良くしてくれてとても良かったです。また行ったら絶対ここに泊まる!1泊200ペソなのに料理や夜の酒も用意してくれて、あの人たち絶対儲ける気ない・・・。笑 夜はお父さんのマシンガントークが炸裂します。
詳しくは後日にバナウェの宿泊施設に関する記事として書きますので!

街中には観光センターがあり、諸情報やガイド、トライシクルの手配が全て出来ます。安心の定額ですが高いです。数人で割れると凄い良いと思います。僕は1人旅だったのでかなり割高です。

中には3泊4日で現地の村とかに泊まりながらほぼ全ての棚田を周るツアーもあるようで、かなり興味あったのですが相当な体力が必要なことと時間的に厳しいと思ったので、僕は全て日帰りのツアーで行くことに。

観光センターで貰える地図付きパンフレットがルートを決める上でけっこう役立つので行った際は取っておきましょう。

バナウェビューポイント(Banaue View Point)

滞在2日目。今日は晴れた!ツアー会社の兄ちゃんがいつも雨で明日も晴れないだろうから今日参加しろと言われていましたが、見事に嘘でした。ちなみに僕がくる前日も晴れていたそうです・・・。

ただ雨が降ると本当に何も出来ないので訪れる季節には気をつけてください。必ず乾期であること。雨季は雨が凄くてトレッキング所ではないそうです。ベストシーズンは3−4月とのこと。

そしてまずはバナウェ市内にある棚田を一望できるスポットへ行きます。

ここへはトライシクルで15分程度で行けます。
観光センターで頼むと往復400ペソでした。僕は家のご主人に格安で色々連れていってもらいました。

ここからトレッキングするコース(3−4時間)もありますが、ここは見て終わる人が多いです。

そしてデッキからの景色。

すげーー!!これが見たかったんだーー!

これ全て人が作って2000年も継承され続けてるなんて凄すぎる・・・。人間って凄いと我ながらに思いました。
2月上旬に行きましたが、ちょうど田植えをする時期だったようで働いてる人を見れました。

驚くべきことに、段々になっているため機械が一切使えず、”全てが手作業”で行われます。一時期は維持が難しい危機遺産として登録されていたこの棚田ですが、これを人の手だけで維持するのは本当に半端じゃない努力ですね。そうしたことも考えつつ非常に感動しました。

ちなみに宿のご主人の実家がこの写真のどこかにある畑だそうで、色々話を聞くことが出来ました。
他地域では年3回収穫できるのに対して、バナウェの畑は年1度のみ。現実問題として、便利な機械がたくさんある現代社会では非常に効率が悪い形となってしまっていて、畑としての機能性は低いのです。このほかにも様々な問題を抱えています。

このバナウェビューポイントからの眺めは写真でよく使われることが多いのですが、世界遺産には登録されていない棚田だそうです。こんなに凄いのに・・・。

ハパオ棚田 (Hapao Rice Terraces)

もう一箇所ハバウェ近郊にある棚田へ行きました。
こちらのハパオは全ての棚田が世界遺産に登録されています。

まあ一番の目的は温泉だったわけですが・・・・笑

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温泉は他記事に譲り、本記事では棚田とのことを紹介したいと思います。

バナウェからハパオまではトライシクルで1時間弱ほど。観光センターでチャーターすると往復で1000ペソほど。

まずはオフィスで地域入場料の50ペソと温泉料20ペソが徴収されます。

現地ガイドも雇うルールがあります。1人500ペソです。4人でいけば1人あたり125ペソに出来ます。棚田は本当に迷路ですので必ず道がわかる人と同行するようにしてください。

まずはビューポイントに到着。ユネスコ世界遺産に登録されている旨が記載されています。

このあとはトライシクルを降りて徒歩での移動となります。

こちらがビューポイントからの景色。いやーさすが世界遺産ですね。ただバナウェの棚田の迫力は写真では伝わりにくいと言われています。僕もそう感じます。実際に見た時の感動は凄いです。

ハパオの棚田は緩やかな斜面になっています。バナウェビューポイントと比較するとわかりやすいと思います。ですので比較的トレッキングの難易度が低く、初心者向けのコースとなっています。片道1時間という短距離も有難いです。(他の場所は3−4時間、場合によっては半日かかるコースもあります)

ここから棚田の中を1時間強歩いて温泉を目指します。

ハパオの棚田はその斜面部分が石で出来ていることで有名です。(バナウェの場合は土のみ)
なので外国人でも比較的歩きやすいです。

写真のように全ての田んぼに細い道が作られています。棚田は見るだけではなくて是非歩いてみてください。

棚田の中は本当に迷路です。

こちら川。
僕が最も驚いたのは、川の水を引いて全ての田んぼに新鮮な水が常に行き渡るよう設計されている点です。
2000年前から使われている手法なので、もちろんポンプ等は使わず全て重力のみ。

川から水路を引いていたりしてとんでもない精巧な作りです。
人間ってその気になればこんなものも作れるのか・・・とかなり驚きました。

ビューポイントからの景色がメインですが道中でも沢山の絶景が見られます。

バナウェ観光のポイントと注意点

・フィリピンだけど防寒対策はしっかり(夜行バスの中が一番寒い)
・陽が出ると真夏なので温度差に気をつける
・雨季に行くのはなるべく避ける
・トレッキングコース選びは体力と相談
・ATMとかも無いので現金は多めに(ツアーは外国人価格なのでけっこうお金かかります)
・畑を維持する地元の人達に敬意を。

まとめ

今回の滞在は2泊3日で、3日目には朝からバギオの方へ向かいましたので、見れた棚田はバナウェとハパオの2ヶ所のみでした。他にもバタッドなど行ってみたいところが沢山あったのですが次回にまわすことに。実は体のコンディションがあまり良くなったこともあります。
どこかを去る時はやり残したことはないか?と言われることが多いですが、敢えてやり残して帰ることでまたそこに行く理由を持っていることもまた良いのではないでしょうか。

このバナウェは学生自体からずっと行きたかったことで、ついに夢がかなったわけですが、その期待に裏切らない素晴らしい場所でした。まだまだアタックしたい棚田やルートがありますので、また帰ってきます!