大学新卒で海外就職するメリット・デメリット【経験者が語る】

  • 2019年6月23日
  • 2019年10月6日
  • BUSINESS
新卒で海外就職するのってぶっちゃけどうなんですか?

この記事ではこのような疑問にお答えします。

僕は法政大学建築学科を2015年に卒業しました。

そして大学卒業後にすぐフィリピンのセブ島の英語学校でインターンを開始しました。
フィリピン留学インターンに関しては詳しくはこちらをご覧ください。

その後にそのままそこで就職しましたので、分類としては新卒海外就職になるかと思います。
2018年2月に日本へ帰国して、現在は日本でサラリーマンをしています。

新卒で海外就職する人は間違いなく少数派ですし、ましてや途上国のイメージが強い東南アジアです。少なくとも僕の知り合いにはこういう人はいません。

というわけでこの記事では、新卒で海外就職するのはぶっちゃけどうなのか?というところをメリットとデメリットを含めて詳しく解説していきたいと思います。

大学新卒で海外就職するメリット・デメリット

海外就職といっても様々な種類があります。(ちなみに駐在は含んでいません、あくまで現地就職)

大きく分けると海外にある日本人オーナーの会社か外国人オーナーの会社かの2つで別れます。僕の場合は法人としてはフィリピン現地法人ですが社長(オーナー)は日本人でした。

このどちらかで働き方が大きく変わってきます。

例えば、アメリカ人が運営するアメリカの会社であればその働き方は完全にアメリカスタイルの働き方になります。
一方、アメリカに拠点を置く日本人が運営するアメリカの会社であれば、完全にではありませんが働き方に日本らしさが出てきます。

もちろん就職の難易度としては日系の方が低いですが、どちらが良いのかはよく考えましょう。

新卒で海外就職するメリット

それではメリットを解説していきましょう。

ざっくりまとめるとこんな感じ。

・経営者の近くで働ける
・若くてもやりがい・責任のあるポジションを任される
・ビジネス現場での語学力が身につく
・多様な働き方やライフスタイルを知れる

僕が最も強く感じたメリットはこの4つです。ちなみに僕の経験から語るため海外にある日系会社の場合です。

・経営者の近くで働ける

大手企業で海外勤務っていうとほぼほぼ駐在員になります。

しかし現地就職するのであれば、アグレッシブなビジネスマンが経営するベンチャーみたいな小さい会社になることがほとんどです。海外でビジネスやってる日本人はやっぱり行動力が凄いです。

課長とか部長とかって上司でも結局は同じサラリーマンであり、この違いを理解することが大切です。経営者はまったく別の生き物でありサラリーマンとはまったく異なる思考を持って働いています。

給料を貰うことと自分で金を稼ぐこともまったく別。経営者の側で働くことで後者のマインドを付けることが出来ます。これは大きなメリットだったなーと感じますね。

僕の場合は運やタイミングが良かったこともあるかもですが、社長直下で働くことが出来ました。
ぶっちゃけ今の思考はかなり前の社長の影響を受けていますね。

・若くてもやりがい・責任のあるポジションを任される

僕はフィリピンの会社でマネージャーとして管理職として仕事をしていました。

24歳で現地スタッフ50名程度をまとめていました。さらに最後には25歳では子会社の社長になるところまでいきました。日本で就職したら絶対にあり得ないシチュエーションです。このポジションには40~50代のベテランが付くようなところです。

特に日本よりも物価が安い国では、下っ端サラリーマンみたいな仕事内容は賃金の安い現地スタッフ、高給取りの日本人は高度な仕事につかせるパターンが多いです。

したがって、年齢が若くてもやる気・実力があれば、平気でこんくらいのポジションを任されます。

もちろんめっちゃ大変なのですが、何よりめっちゃ成長できます。
日本で普通に就職して下っ端サラリーマンをやるよりも確実に短期で成長できますね。

マネージャーをやるとマネージャー相応の雰囲気が出てきます。
僕はいつも実年齢+10歳くらいに思われていました。。。


これは日本でも小さい会社であれば起こりうることかと思いますが、海外就職ではより顕著ですね。

・ビジネス現場での語学力が身につく

海外就職ではレアケースを除いて現地の言葉で仕事をすることになります。

僕の場合はフィリピンでしたが社内での現地スタッフ、外国人スタッフとのやり取りは全て英語でした。

当然ですが高度なレベルでビジネス英語を習得することが出来ます。というか習得しないと仕事になりません・・・。

何も出来ない状態で行ってしまうと痛い目に合いますが、自分をそういう環境に置けるのはメリットです。仕事をしつつ1つの言語を習得できるわけですから海外就職故のアドバンテージだと言えます。

・多様な働き方やライフスタイルを知れる

働き方やライフスタイルは国によって驚くほどに異なります。仕事面でいうと日本は世界一厳しくてキッチリしており、海外では適当なところが多いです。

それは適当=給料も低いというわけではありません。オーストラリアでは日本よりも給料が高いですが、けっこう適当だったりします。

日本に閉じこもっていたら日本の働き方しかわかりませんが、海外で働くと多国籍スタッフな企業も多いのでこうした沢山の選択肢を知ることが出来ます。

その上で自分にピッタリな働き方・ライフスタイルを探していけばいいのではないでしょうか。

新卒で海外就職するデメリット

さて次に実際に感じたデメリットも紹介します。

・日本企業への転職では評価されないケースも
・日本で働けない体質になる
・その国の生活が合わないことがある

・日本企業への転職では評価されないケースも

そもそも新卒で海外就職する時点で普通の日本人のレールからは飛び出しています。

日本でもベンチャーとか小さい企業だと評価されることもありますが、将来的には大手企業に転職したいとなると難しいかもしれません。

そもそも日本大手企業・公務員=安定という時代は終わりを迎えそうなので、新卒でチャレンジングな海外就職というのもこれからはどんどん増えていくでしょう。

まあこれに関しては大手を除けばケースバイケースと言えます。経営者の好み次第ですね。

・日本で働けない体質になる

先ほども書いた通り、日本は世界一仕事に厳しいですし、残業も普通にやる文化です。

残業という文化がまったくない国もありますし、仕事に適当な国は非常に多いです。そもそも仕事よりも家族や自分第一主義なので根本的なところが違います。そういう国で一度働くと二度と日本の企業では働けない体質になります笑。

僕の場合はなんとかやっていますが、経験を積んだり勉強したいという気持ちが大きいからです。

現状の働き方が変わらない限りは、将来的にこのままずっと日本でサラリーマンとして働くとかはマジで考えられないですね・・・。

というわけで僕もそういう体質になってしまっていると言えるでしょう。

・その国の生活が合わないことがある

これは留学であろうと就職であろうと海外で生活するのであれば必ず出てくる問題です。

代表的な例としては、お風呂・ウォシュレット・日本食が無いみたいな感じですね。日本に当たり前にあるものでも海外にはありません。特に途上国なら尚更です。

こうしたミスマッチを防ぐためにも、まずは僕のようにインターンから入ったり、事前に旅行で滞在してみたりする必要があります。興味のある会社があればその時にアポをとって訪問してみましょう。

繰り返しますが、海外の生活は合う合わないがあるため必ず事前に体験しておきましょう。

海外就職の給料と生活レベル

この辺は一概には言えなくて国によって大きく変わってきます。

まず僕の場合のフィリピンから例を挙げていきましょう。

一般的に現地就職で働くと最初の給与は平均で5−6万ペソ(11〜13万円)程度になるかなーと思います。ただこれにコンドミニアムなどの住宅支給っていうパターンが多いですね。なので家賃はかかりません。

えっやす!って感じるかもですが、その分物価が安いので現地の中では富裕層の暮らしが出来ます。
例えば、

・タクシー移動
・洗濯掃除は外注
・毎日外食
・国内旅行も格安なので毎週末旅行

みたいな感じ。

意外と東京で手取り20万円で暮らすよりも遥かに良い生活が出来ます。

逆に日本よりも物価の高いオーストラリアやシンガポールでは、最低賃金も高いため金額としては日本よりも稼げます。

しかしその分家賃も食べ物も何から何まで高いです。
ワーホリでオーストラリアにいる人が一人暮らしをするのはほぼ不可能。ほとんどの人がシェアハウスで暮らしています。

水も500mlで200〜300円くらいして、外食も高いのでそんなに頻繁には行けません。

てな訳で海外では給与額ばかりに気を取られていると痛い目に合います。

生活において一番大事なのは(給与ー支出)の差です。

海外就職先の探し方

海外就職面白そう・・・と思ってもどうやって就職先を探したら良いかわからないという方も多いでしょう。

最後に代表的な探し方を紹介して締めくくりたいと思います。

サイト・エージェントを利用する

時代の流れか海外就職専門のサイトも出てきています。(もちろん日本語)

傾向としてはこういったサイトはアジア圏の求人が多いです。だいたい8−9割はアジアです。

アジアは急速に発展していて日系企業も多く進出しています。ゆえに人材不足の問題も多いので、新卒でも英語力がそこまでなくても採用までたどり着ける可能性は高いです。そういう意味では狙い目ですね。

・GJJ海外就職デスク 海外就職支援ポータルサイト
https://www.kaigai-shushoku.com/

・海外で働くWorkingAbroad
https://workingabroad.daijob.com/

欧米圏で働きたいのであれば、実際に現地にいって企業にレジュメを配りまくるしかないと思います。

ただ現地の大学とかインターンとかで徐々に就職までたどり着くのが定番ルートです。欧米圏ではいきなり就職はかなり難易度が高いですね。

企業の公式サイトから

これは国内の企業でも言えることですが、小さいベンチャー企業なんかは当然大手就職サイトに求人や広告は出していません。

こういうところは自分で見つけるしかないですね。

もともと海外就職に関心があってアンテナをはっているのであれば、SNSや雑誌等で色々調べており国や会社にしろ何か気になるところがあるはずです。基本的に受け身では何も見つからないので、自分が入る会社は自分で見つけるくらいの意気込みが必要です。

現地で探す

当然エージェントが紹介するのは海外にある日本人の会社が中心です。

完全現地系の企業であれば、そこに行って探すのが手っ取り早いですね。知り合いの建築士でレジュメだけ持ってドイツにいって、会社を訪問しまくって就職先を見つけたという猛者もいます。この場合は転職ですが。

どちらにしろ、現地系は新卒では厳しいかと思います。

新卒で海外に出るならばまずは日系企業でスキルや経験を身につけましょう。

海外就職は魅力的です

結論として、僕は新卒でいきなり海外就職して良かったなと思っています。

今は日本で働いておりスキル・経験をつけたらまた海外に出ます。

今までの大手企業・終身雇用主義の社会では新卒での海外就職はかなりリスキーな選択であったかもしれませんが、これからは日本もどんどん欧米型のスキル・実力重視社会へと移行していきます。

そういう意味で考えると、語学力やスキルが付きやすい海外就職というのは有りですし、今後「新卒海外就職」を目指す学生はどんどん増えていくんじゃないかと思います。

それでは!