この記事ではこのような疑問にお答えします。
以前、質問をもらったことがあるので、僕がTOEICの各パートをどのように考えて、どのように解いているのかということをこの記事にて公開したいと思います。
ちなみに皆さんが期待するような裏技は記載しておりません。探せばあるのかもしれませんが、僕自身、ビジネスやアカデミックとして本当に使える英語力を重視していたので、自分なりの型はあるものの技では攻めてきませんでした。
テスト開発者側としても技で攻略できるテストと言われると信憑性が問われるため、そういう技が通用しないような工夫をしていると思いますし、そういう工夫がどんどん追加されていくはずです。ですので技で攻めるのはコスパが悪いと考えたことも要因ではあります。
実力の英語力で攻めれば、テスト形式改変とかにもあまり影響を受けないので最終的には得すると思っています。
またこれから紹介する方法はオススメの方法ではありません。
あくまで僕自身の考え方と解き方です。
これを読んだ上で、自分で模試や本番をいくつか経験して、最終的には自分なりの型を身につけてもらえればと。
ちなみにこの記事を書いている僕はTOEIC945点を持っており、TOEIC講師としてグループクラスを受け持っていたこともありますのでそれなりに信頼できる記事になるのではないかと思います。
【裏技はありません】僕のTOEIC全パートの詳細な解き方を公開
それでは冒頭のイントロダクションの部分から順に解説していこうと思います。
イントロダクション
試験の冒頭ではまず数分間のイントロダクションが始まります。
時間との勝負であるTOEICではこの数分間を無駄にしたくないという人もいるでしょう。
よくある手法としてはパート1の写真やパート3、4の質問文を確認することです。ちなみにこの時間にリーディングを解くのはルール違反で下手すれば失格になるのでやめましょう。
僕はこの時間敢えて何もしません。ボーッとしています。
理由としては目の前の1つ1つのタスクに中心するためです。
パート3、4を読んだところで、その問題が出てくるのはかなり先の話です。それまでにパート1、2で40問ほどあるわけで、先読みしたところを頑張って覚えていると目の前の問題に支障が出てきます。パート1をやっている時はパート1に100%の力を与えるべきです。別のパートを先読みするとこれが90%とかになるような気がしています。
☑️敢えて先読みしないで目の前のタスクに中心する
パート1(リスニング写真問題)
イントロダクションのところでお話しした通り、写真を先に見たりせずにただ順番に沿って前から解いていきます。
写真の状況を理解するのは、英語力とか関係の無い作業です。ですので初心者でも上級者でも、前の問題を解いてから眺めるくらいで本来であれば充分なはずです。
それよりも先見して③を解いてる最中に⑥の写真が頭に浮かんでくる、みたいな状況を僕は避けたいです。
またこれは全てのパートに共通して言えることですが、全文聴き終わる前に答えがわかった時はその後の文は聴きません。
例えば1〜4の選択肢があるうちの②が正解だった場合です。その後の③④の選択肢は聞き流します。これは強い自信が必要になるのでちょっと上級者向けのやり方かもしれませんが、理由としては体力温存のためです。
TOEICは200問で2時間という長い試験です。ぶっちゃけ上級者でも途中疲れます。ですので聞く必要のないところは聴かずに、リラックスして次の問題に備えるようにしています。
☑️先見せずに順番に解いていく
☑️途中で答えを確信したらその後は聞き流す→体力温存のため
パート2(リスニング短文)
パート2は紙面上に一切の情報がありません。頼りになるのはあなたの耳だけです。
ですので、最も集中力の必要なパートだと言えるでしょう。
それ故にパート1で紹介した「途中で答えがわかったら後は聴き流す」という戦法は有効です。
パート2に関しては短文ということもあり、一語を聞き逃してしまうと答えがまったくわからなくなるケースがあります。例えば冒頭のwhenかwhereを聞き逃してしまうと、答えはまったく違くなりますよね。文の流れから予想するという技が使えない恐ろしさがあります。
ですのであんまり対策って感じではなく泥臭い戦法なのですが、マックスの集中力で1語1語逃さずに聴かないと精度の高い解答は出来ません。
☑️1語も聞き逃さないように集中する
☑️途中で答えがわかったら後は聞き流す
パート3、4(リスニング長文)
パート3、4は基本的に解き方が同じなので同じくくりとします。
結論から言うと問題を選択肢まで全て先読みします。
しかしこれをやるには速読できるだけのリーディング力が必要です。僕がこれをできるようになった時は800点後半だったと思います。
面白いことにリーディング力が着くとパート3、4のスコアは上がるという現象が起きます。
しかし注意点としては、余裕があったとしても次の次の問題まで先読みすることはしません。あくまでこれからやる問題だけです。
理由としては、もちろん目の前の問題だけに集中するためです。
またマークに関しては同様で、途中でわかった場合は文を読む途中でもどんどんマークしていきます。途中で全て埋まってしまった場合は、次の問題の先読みへと移行します。
パート3、4はひたすらこれを繰り返す感じですね・・・。長い戦いです。
☑️1つ先の問題のみを先読みする
☑️途中で答えがわかったら後は聞き流す
パート5(リーディング短文穴埋め)
ここからはリーディングとなります。
まず初心者から上級者まで全てのレベルの人に言えることですが、パート5で一番大事なのは時間をかけないことです。なぜならば時間をかけても正答率が上がらないからです。特に語彙力を問うような問題は、知らない単語は1時間考えてもわからないです。
昔、TOEIC講師をしていてグループ授業を持っていた頃があり、生徒さんに実験的にこんな解き方をしてもらいました。やったことがない人は是非やってみてください。
①時間を決めて15分で1セットを必ず最後まで解く
②時間無制限で納得のいくまで解く
といった感じで②の方ではだいたいみんな30分くらいかけて解きます。終わったら正答率がどれほど変わるかを比較します。
何十名かは試したと思いますが結果は良くても2−3問正解が増える程度で、なんなら変わらないとかバツが増えている人もいるくらいです。
倍の時間かけて正解が良くて2−3問ってのはコスパ良くないですよね。パート7では正解は文中にあるので時間をかけるだけ正答率が上がりますのでそちらに時間をさくべきなのです。
この授業はかなり身に沁みるようで、生徒の人たちにも好評でした。
というわけでまず大事なのは時間をかけないことです。早ければ早い方がベターです。
僕の解き方としては、
①文を頭から空欄まで読む
②空欄にきたら選択肢を見て考える
③それでわからない場合は文を最後まで読む
④解答する
といった感じ。早ければ②で終わります。
先に選択肢を見るでも有りだと思いますし、その方が一般的でしょう。何故か僕はこの手法に落ち着きました。
「空欄の前後だけで考える」というのは600点までは有りだと思いますが、解答のクオリティとしては限界があると感じます。最終的に800点以上を目指すのであれば最初からしっかり読んで解く癖をつけておいた方が後々良いです。
☑️時間をかけないこと
☑️文頭から確実に読んでいく(またはそういう訓練をする)
パート6(リーディング長文穴埋め)
文章が長いだけで基本的にやることはパート5に近い印象です。
①文頭から順に読んでいく
②空欄にきたら選択肢を見て解答する
③わからない場合はさらに読み進める
④わかった時点で解答する
こんな感じですね。
パート5との違いは、ストーリーになっているので文法や単語知識だけではなく文の流れとか文脈から答えを追う必要がある点です。
ですので、途中で解答できなくても全文読み終えてから戻るとすんなり解答できるなんてこともあります。
穴埋め問題として向き合うとどうしてもストーリーを軽視しがちで、答えを見失います。パート6に関してはあくまで読解問題としてちゃんと読んで解いた方が答えやすいんじゃないかと思います。
英語能力としてはパート5の文法語彙力とパート7の読解力の組み合わせのような感じ。じゃあ難しいのかというとそういうわけではなくて、パート5と7をしっかり対策していればむしろ簡単に感じると思います。
ですので敢えてこのパートを対策する必要はないですね。模試だけで充分です。
☑️文頭からしっかり読んで内容を理解しながら解くこと
☑️敢えてこのパートの対策はする必要なし
パート7(リーディング長文読解)
さて最後のパートです。
まずパート5の時と話と被りますが、このパートは答えが文中にあるわけなので時間をかけるだけ正答率が上がります。なるべくここに時間を残せるように努力しましょう。
僕の基本的な解き方は以下。
①どんな文章なのかざっくり確認
②問題文を先読み
③本文を上から順に読む
④答えがわかった時点で解答
⑤わからない限りは下まで全て読む
これらに関しては下で1つ1つ深掘りしていきます。
①どんな文章なのかざっくり確認
TOEICパート7の文章にはある程度決まった型があります。
Eメール、新聞記事、広告などです。まずはそれがどんな文章なのかをざっくり事前に確認しておくことで、本文を読み始めた時に内容が入ってきやすいです。
ちなみに本文の上に「Questions 168-171 refer to the following e-mail」などと必ず記載されており、これを見ればこの文はメールなんだと理解することが出来ます。この部分は必ず確認するようにしましょう。
②問題文を先読み
僕はパート7に関しては問題文・選択肢を先読みします。
ちなみに1問ずつです。やっぱり一度に全て読んでしまうとそれぞれに注意力が分散されてしまう気がするのでひとつずつやっています。
③本文を上から順に読む
本文は必ず上から全て読むようにしています。飛び飛びで読んで、飛んだところに答えがあった場合は二度手間になりますので必ず全て読みます。また段落の途中で読むのをやめてしまうとどこで止めたかわからなくなって非効率なので、かならず1ブロックずつ読み進めていくようにもしています。
だいたい問題文も1ブロックで1問と設定されているパターンが多いです。
しかし最後の方のダブル・トリプルパッセージの問題では、複数の場所から照らし合わせるような難易度の高い問題も出題されます。これの対策はやはり頭から全て読んでいくしかないと思います。
しっかり読んでいれば「あ、これはあそこに書いてあったな」と後からでも思い出せます。
④答えがわかった時点で解答
こう書いていますが、途中で答えがわかっても段落終了までは読み終えるようにしていますね。
パート7の僕の解き方としてはこんな感じでしょうか。
☑️最初にどんな記事なのかを理解する
☑️本文は上から確実に読み進める(またはそういう訓練をする)
☑️なるべくこのパートに時間を残す
技に頼るのはコスパが悪いです
以上、僕のTOEICテスト各パートの考え方と解き方を解説してきました。
試験にはある程度の慣れが必要で、自分の型を作っていくことが必要だと思いますが、やはり技に頼るのはコスパが悪いと思います。
技というと例えばパート5で前後の品詞で判断する方法とかですね。なるべく読まずに正解を導く方法を推奨する講師もいるようですが、まったく信用できないですね。リーディングの試験で読むことから逃げているのでは本末転倒ですよ。
リーディングに強くなりたい、高スコアを取りたいのであれば、とにかく沢山読むことです。
当たり前のことですが、これが出来ていない人も多いように感じます。
僕の記事では基本的に実力でスコアを取る方法を解説していきます。